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  • 電子化ラボ
2013-03-28

【電子化ラボ】紙文書現物の管理における課題と運用事例

こんにちは、電子化ラボのコーナーです。

前回は“紙の情報をデータベースのように活用するには”というテーマで、紙文書などに記載されている情報(データ)を自由に閲覧したり分析したりする方法についてお話しましたが、紙文書といえば、その現物の管理や保管が課題になることも多いのではないでしょうか。

たとえば、

「組織内の書類や資料の保管状態がばらばら…管理方法を統一したい」
「現物自体が重要な文書もあるので、安全性を確保した運用が必要」

などなど…企業や組織が保有する紙文書は情報資産のひとつであり、内部統制や個人情報保護といった多くの点から適切な管理が求められています。
そこで今回は、このような課題とその解決策について、お客様の実例を取り上げながらご紹介したいと思います。

icon-smileいろんな業務がIT化してるけど、紙で保管してる文書も結構あるよね。本当はデジタルで運用したいけど 切り替えが大変なものとか、紙での保存が決められてるものとか…そういう紙文書もちゃんと管理しなきゃ いけないけど、どんな方法があるんだろ?ぜひ参考にしてみてね~✿

書類や資料の管理方法を全社で統一したい

各地に支店を持つA社様では、契約書や管理台帳、個人情報記載文書のほか、年次で発生する各種の伝票類など多種にわたる紙文書を保有しています。組織としての文書管理の規定はあるものの、実際の運用管理は支店ごとに任されている状態で、管理のレベルにはばらつきが生じていました。

本社の管理部門では、コンプライアンスや内部統制の点から、組織全体の文書管理体制を監督・適正化する役割を担っています。しかしながら現状では、「この支店ではどこにどんな文書があるのか」「文書は保存年限どおり保管されているのか」「期日を満了した文書は確実に廃棄されているのか」といった各支店の管理状態が把握できず、適正化のための指導もままなりません。

管理部門の課題:

  • 書類ごとに保管方法を統一したい
  • 書類ごとに期日管理を徹底し、誤廃棄や紛失リスクをなくしたい
  • 全社で保有する各種文書の所在を明確にしたい

そこで、私たちはA社様に次のような管理体制をご提案しました。

“書類単位の文書管理情報をシステムで管理し、管理部門で全社の状況を把握できる体制をつくる。”

課題の解決策:

  • 各書類に策定した保管ルールをシステムに設定、登録時に統一された保管方法を適用。
    例:保存期間、保存期限、保管場所(部屋、キャビネット、保管箱、バインダ等)、格納方法…
  • 保存期間と期限を設け、保管中なら棚卸、満了後は廃棄申請・確認と状態にそった管理を行うことで、発生から廃棄まで確実に保管。
  • 管理部門はシステムで各支店の文書管理状況を把握、不適切な状態が見受けられる場合は指導・是正。

blog_doc_caseA

このケースのポイントは、文書現物と紐付けて「保管場所(ロケーション)」や「保存期間」、「文書の状態(例:入庫中、廃棄済)」といった情報をシステムで管理している点です。いわゆる文書管理簿をデジタルベースで運用しているような状態ですが、システム化していることで、検索による文書単位の状況把握や保管期限での対象文書抽出、保管場所の移管や廃棄の実施といった取り扱い履歴の管理など、より柔軟な運用が可能です。

icon-smile2このお客様では文書現物の管理体制が統一されたことで、内外からの監査にもすぐに対応できるようになった そうです!支店の担当者さんも、普段使っている書類の名前なんかで検索するだけで、“どの書類をどこにど うやって保管すればいいか”がその場でわかるから、迷ったり面倒がったりすることがなくなったみたい。 どの文書が・どんな状態で・どこにあるか、必要な人がいつでも見られると便利だし安心できるよね。

ちなみに当ケースでは、管理対象となる書類や資料の業務での参照頻度が低いため、文書自体の内容まではシステムに登録していません。参照頻度がほとんどない文書であれば、このように管理情報の部分をシステム化することでも効果が得られます。キャビネットや保管箱といった単位でも管理できるため、紙文書に限らず磁気テープや記録メディアといった“物品の管理情報もまとめて運用”という柔軟な運用が可能です。

現物が重要な文書を安全に運用したい

紙文書の中には、文書そのものが重要な価値を持つものもあります。現物が重要な文書は、書庫や金庫室のように厳重な管理が可能な場所で保管し、不要な紛失・誤廃棄等のリスクを避けるためにも極力そこから出さないことが望ましいといえます。

しかしながら、業務での参照頻度が高い文書の場合、保管したままでは仕事になりません。
このようなケースでは、どんな運用をすればよいのでしょうか。

金融サービスを提供するB社様では、顧客から紙で寄せられる申込書類がこのケースに該当しました。申込書類は顧客の個人情報をはじめとする重要な情報が記載されているため、万が一にも紛失は許されません。一方で、申込み内容については顧客や社内からたびたび照会が寄せられ、その都度内容を確認する必要があるため、書庫へ保管したままでは業務が止まってしまいます。

担当部門の課題:

  • 重要書類なので紛失リスクなく安全に管理したい
  • 照会対応のために申込書類の内容は参照したい

そこで、B社様には次のような管理体制をご提案しました。

“申込書情報を検索システムで運用するとともに、受領した申込書類をスキャンして登録、原本は書庫で厳重管理する”

課題の解決策:

  • 申込書類はスキャニング・検索システム登録後に所定の場所で厳重保管
  • 照会対応は検索システムで迅速に確認、必要に応じて申込書類の画像データを確認、すばやく回答

blog_doc_caseB

このケースのポイントは、重要な書類現物を保管場所から出さないために、書類の画像データを参照用に作成し、現物の代替として運用している点です。また、申込書類の安全な管理とともに照会対応業務を円滑化するため、検索システムには顧客番号や申込日といったキーとなる情報を持たせ、詳細内容を確認したいときに画像データをあわせて閲覧できるようにしています。

このような運用は“文書現物が重要”で“業務での閲覧頻度が高い”場合、特に効果的です。書類内容の情報量が少ないときは、システムにすべて入力してコードデータで運用することもできますし、情報量が多くて入力負荷が高い、写真や印章といったイメージ要素が含まれる、というときは画像データ化する方が適していると思われます。

icon-star紙文書の画像データを“参照用”として活用しているんだ!紙の書類を出したりしまったり移動させること には、間違って紛失や漏洩してしまうリスクがどうしてもついてくるんだよね…だから、安全な場所にし まったままにできるならそれが一番安心じゃないかな。システムのデータなら、必要な人だけが使えるよ うにアクセス権を設定したり操作履歴を確認したり、いろんなセキュリティ対策も取れるようになるしね♪

参考:債権書類管理システムにおける文書の運用方法

さて、現物が重要な書類の運用例として、もうひとつご紹介します。

債権書類管理システムは、弊社が金融機関のお客様にご提供している製品のひとつです。金融機関では顧客への融資を行う際に担保となる書類(債権書類)を受領し、完済されるまで保管しています。この書類は金融機関にとっては金銭的な資産の一種であり、さらに本人確認書類の写しや口座情報など顧客の重要情報も含まれることから、大変重要度の高い書類です。

この重要な書類を厳正に管理するために、債権書類管理システムは次のような仕組みを有しています。

  • 書類現物を書庫や金庫室で集中管理、外部へ出さない
    各店舗などで受領した債権書類現物は、特定の保管場所(書庫や金庫室)に集約して保管します。書類は契約単位で袋に封緘して管理用のバーコードやRFID(ICタグ)を付与し、保管場所への入庫などの情報はそれを読み取ることでシステムに記録します。原則として完済を迎えるまで出さずに保管することで、紛失や盗難のリスクを削減します。
  • 契約情報と書類イメージを共有、各支店から参照して業務を円滑化
    保管場所に集中化したことで店舗側の業務に支障がないよう、融資の契約情報データと債権書類の画像データを登録し、機関内での検索・参照を可能にします。保管場所から書類現物を取り出さずに業務を行えます。
  • 定期的な棚卸を実施、バーコードやRFIDで正確かつ迅速に現物の存在を確認
    債権書類の場合、何万件にも上る書類を長期に渡って保管することが多く、現物が本当にあることを確認する棚卸(現物照合)を定期的に行う必要があります。システムで棚卸を実行する際は、管理用のバーコードやRFIDを専用リーダで読み取ることで実存する書類を確認し、そのデータとシステムの管理情報を照合することですぐに書類の現物照合を行えます。

icon-normalじゃ~ん!バーコードやRFIDを文書現物に使う、さらに高度な運用モデルです!保管場所への出し入れも 管理タグを読むだけでシステムに記録できるし、重ねても正確に読み取れるRFIDなら書類の棚卸もすぐに 完了できるし、お客様も喜んでくれてるんだ。書類現物の管理には、バーコードやICタグのほかに、最近 はカラービットも利用されていて、いろんな方法が選べるようになってきているよ。

まとめ

今回は紙文書現物の運用モデルをお客様の実例に基づいてご紹介しました。
上記は一例であり、実際は、次のような条件の組み合わせによって適した体制が変わってきます。

  • 文書現物の重要性
    財産的な価値がある、個人情報など重要情報の記載、法律による紙での保存義務…
  • 文書の参照頻度
    業務で日常的に参照する、一定期間経過後はほとんど参照しない…
  • 保管する場所
    社内のキャビネットや書庫に保管、遠隔地の倉庫を使用、分散管理か集中管理か…

たとえば、「参照はほとんどしない」「現物が重要」という文書の場合は、厳重かつ堅牢に保管可能な場所に置いておくことが優先事項になります。オフィスではなく地盤のしっかりした土地の倉庫に移管することや、RFIDを利用してリアルタイムに現物管理する保管システムなどが検討の方向性になってくるでしょう。また、「参照頻度はときどき」なら、必要になったときだけ保管場所内で電子化して参照用データを入手するという方法も検討できますし、「文書現物は不要」なら、すべてデジタルで運用して文書現物を廃棄・省スペース化をはかる、なんてことも可能になるかもしれません。

ざっと思い浮かべたところでもさまざまパターンが出てきますが、どのようなケースにおいても共通して大切なことは、“この文書の運用・管理はこのように行います”という取り決めがあることではないでしょうか。

紙文書を含む情報資産、そして記録を、適正に管理するとともに明示的にその体制を説明できること―それが企業や組織に求められてることといえます。

今回ご紹介した文書現物の運用モデルが、皆様の情報資産管理を検討するうえで参考になれば幸いです。

by choji