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【電子化ラボ】スキャニング時のカラーモードを決める3つのポイント
こんにちは、電子化ラボのコーナーです。
今回のテーマは電子化データのカラーについてです。
スキャニングするときのカラーモード「白黒2値」「グレースケール」「フルカラー」の説明と、
資料や目的にあわせた適切なカラーモードについてご紹介します!
電子化文書のカラーモード
スキャニングで作成する電子化文書(画像データ)のカラーモードには、次の3種類があります。
各カラーモードの概要
白黒2値(モノクロ2値)
白と黒の2色で表現するカラータイプです。スキャニングする資料の色を、ある濃度を基準点として「白」「黒」にわけて認識し、画像データとして再現します。この基準点は「閾値(しきいち)」と言ってスキャナで調整が可能です。白と黒の色情報しかないため、データ容量は比較的軽いものになります。
グレースケール
白と黒だけでなく、その中間に存在するグレーの階調をあわせた256色で表現するカラータイプです。スキャニングする資料の濃淡を無彩色の画像データとして再現します。グレーの色情報を持つ分、データ容量はモノクロより増加します。
フルカラー
フルカラーで表現するカラータイプです。この場合のフルカラーとは、コンピュータ上での色の表現方法のひとつである24ビットフルカラーのことで、スキャニングする資料の色を、RGB(赤・緑・青)各色8ビット(256階調)で認識し、画像データとして再現します。フルカラーの色情報を持つ分、データ容量はモノクロ、グレースケールより増加します。
【参考資料】でんシカくんカラーモード比較
じゃじゃ~ん!これは僕のブロマイドです。

でんシカ君ブロマイド
この写真をそれぞれのカラーモードでスキャニングしてみたよ!
白黒2値は、僕が黒くて何だかよくわからないね…でも、文字はくっきりして読みやすいんじゃないかな?
グレースケールにすると、何が写っているかすぐにわかるようになったよ。昔のモノクロ写真みたいだね。
フルカラーは元の資料の見た目が一番よく再現できてるね。僕のツノも輝いてるでしょ~♪
同じ資料の電子化でも、カラーモードが違うとこんなふうに変わってくるんだよ。
こんな資料はどうする?ケース別おすすめカラーモード
では、スキャニングをするとき、これらのカラーモードはどのように選択すればよいのでしょうか。
カラーモードを決めるポイントは3つあります。
カラーモードを決める3つのポイント
- 電子化データの用途 (どんな目的で電子化するのか)
例:文字が読めればいい、印刷用画像素材として使いたい、など - 対象資料の内容 (どんな情報で構成された資料なのか)
例:使用されている色、紙媒体自体の色、写真などの画像の有無、など - 電子化データの容量 (どの程度のデータ容量になるのか)
資料をスキャニングする場合、白黒の文書は白黒2値で、カラーの資料はフルカラーを指定して行うことが一般的かと思いますが、電子化データの用途や資料の内容によっては適したカラーモードが変わることがあります。下記に代表的なものをまとめてみました。
ケース別おすすめカラーモード
一般書類や図面、OCR変換用画像は白黒2値
文字が中心の一般書類は白黒2値でスキャニングすると、多くの場合、紙色は白・文字色は黒と認識され、コントラストのはっきりとした読みやすい電子化データになります。図面のように単色の線画で構成される資料も、白黒2値でスキャニングすることが多いです。白黒2値なら用紙サイズの大きい資料でもデータ容量をそれなりに抑えることができ、PCでの扱いやすさも向上します。
また、文章中心の書類をOCR変換をかけることを目的としてスキャニングする場合も、白黒2値がおすすめできます。白と黒の2色しかない電子化データは、文字部分(黒)と背景(白)の境界が明瞭なため、OCRでの文字認識率が向上しやすい傾向にあるのです。
写真やカタログなどのカラー資料、“見た目の再現”を重視する資料はフルカラー
写真やカタログ、絵画、ポスターといったカラーの資料は、当然のことながらフルカラーでスキャニングすると再現性がもっとも高くなります。また、内容がスミ一色の文書でも、貴重書のように紙の風合いや文字のかすれ具合といった“見た目の再現”が重要な場合は、フルカラーで電子化します。
なお、アナログ媒体の資料の色(印刷色、塗料等)は、CMYK(シアン・マゼンダ・イエロー+ブラック)というカラーモデルで構成されており、スキャナで読み込むときにそれぞれの色をコンピュータ用のカラーモデルであるRGBに変換して再現しているため、色味の違いが多少発生します。資料現物と電子化データの色味を同じものに揃えるためには、カラーマネジメントによる補正が別途必要になります。
色味は不要、でも白黒2色では再現できない資料はグレースケール
たとえば階調の豊富な写真やイラスト、淡色で書かれた文字や図表などが資料に含まれている場合、白黒2値で閾値を調整しても十分に再現できないことがあります。「フルカラーのような色味は不要、でも白黒2色では一部の内容が再現しきれない」…そんな資料はグレースケールでスキャニングすると解決できることが多いです。
もちろん、もともとグレースケールで表現されているモノクロ写真などの資料については、そのままグレースケールでスキャニングしてみるとよいでしょう。白黒2値のように階調も減らず、フルカラーのように余計な色味も入らないため、ちょうどよい電子化データができると思います。
カラーモードのまとめ
カラーモード | 白黒2値![]() |
グレースケール![]() |
フルカラー![]() |
色数 | 白・黒 (2色) |
白・黒・グレー (256色) |
RGB24ビットフルカラー (16,777,216色) |
容量 | 軽い | >>>>>> | 重い |
対象資料例 |
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*ひとつの資料に文章、カラーイラスト、モノクロ写真などが混在している場合は、重視する要素(見た目の再現性、文字の可読性、など)でカラーモードを決めていきます。各カラーモードでスキャニングをした電子化データを比較するとわかりやすいです。
データ容量も確認して、バランスの良い電子化を!
ちょっとした数量のスキャニングであれば、あまり気にする機会がないかと思いますが、ある程度の量がある資料の場合はカラーモードを決定する条件として、“電子化したデータの容量”を検討することが重要になってきます。
もちろん、「写真をスキャニングして印刷素材として使いたい」「貴重資料を高精細なデジタルデータで残したい」といった理由がある場合は別ですが、「とりあえずカラーでスキャニングしておけばいい」と全部フルカラーでスキャニングしていくと、できあがった電子化データの容量は肥大化してしまいます。
1ファイルごとだと気にならないデータ容量でも、つもりつもれば記憶容量を圧迫しちゃうし、閲覧したり編集したり、操作にも時間がかかるようになってしまうんです。
使いみちにあったカラーモードとデータ容量のバランスをみることが大切なんだね。