
導入先
帝京大学様【動画あり】
業種
教育機関
製品・サービス
Blackboard
クラウドへの移行で教職員と学生の双方にメリット主体的に学ぶ意識、学力、授業満足度も変化
教員の声
ラーニングテクノロジー開発室室長の渡辺博芳教授に、製品導入のきっかけや製品の印象、授業での活用について、ざっくばらんに伺いました。
学生さんの声
学生のみなさんに授業内外での活用法と、eポートフォリオの魅力について伺いました。
1966年の創立以来、「実学」「国際性」「開放性」を建学の精神に掲げてきた帝京大学。2002年からは逸早く、学習管理システムとしてBlackboard Learnの前身のWebCTを導入、以来、その運用を支えるラーニングテクノロジー開発室による学内講習会やサポートの元、全国4つのキャンパスでBlackboard Learnが活用されています。2019年6月には2年連続で「THE世界大学ランキング」にランクイン、国内の大学110校のうち8位を獲得し、その教育力や研究力が世界的に評価されています。
本事例では授業や学科運営においての、Blackboard Learnの活用と魅力について3名の先生方に伺いました。
「よく分かる授業」実現のために
学内でLMSなどのラーニングテクノロジーを活用した教員の授業改善と、学生の学習支援を担うラーニングテクノロジー開発室では、教員が持つべき技術としてインストラクショナル・デザインを普及させると共に、学生の自律的な学習力を育成していくことを活動方針に掲げて活動しています。中でも中心的な活動となっているのが、教育・学習の基盤技術としてのLMSと講義ビデオ配信システムの供用サービスと活用支援です。
同ラーニングテクノロジー開発室室長を務める、理工学部情報電子工学科の渡辺博芳教授は、従来型の授業に比べ、LMSを活用することで学生への個別対応が可能と語ります。同学科では、Blackboard Learnを活用したセルフラーニング型の授業を導入し、学生が自分のペースで学習できる仕組みを構築。LMSを活用することで、講義のビデオや講義のビデオやスライドなどの教材、小テストなど、さまざまなコンテンツを用意して自由にアクセスできるようにしたり、課題の提出やフィードバックなど、教員と学生または学生同士がオンライン上で個々にやり取りする環境を用意すれば、それぞれの学生が確実に力をつけることができます。 従来型の授業では十分に対応できなかった「個別対応」の授業が可能になり、学生を対象に実施する授業についてのアンケート結果も高い満足度を得ています。
学生の理解度は一人ひとり異なります。
オンラインで個々にやり取りできる環境を用意すれば、それぞれの学生が確実に力をつけることができます。
授業の基盤システムと学内のコミュニティ機能を兼ね備えたBlackboard Learnは、学内の情報基盤として不可欠の存在です。
― ラーニングテクノロジー開発室 室長、理工学部 情報電子工学科 渡辺博芳教授
この導入事例の全文を読む
本導入事例の全文はパンフレットでご覧いただけます。
導入の経緯や評価のポイント、効果などの詳細をお知りになりたい方は、以下のお問い合わせフォームより導入事例パンフレットをご請求ください。
ご不明点がありましたらお気軽にお問い合わせください。
メールフォームでのお問い合わせ
お問い合わせフォーム〒164-0012 東京都中野区本町3-31-11 7F
同じ製品の導入事例
-
- Blackboard
ブレーンスタッフコンサルタンツ様
遠隔地のスタッフとのコミュニケーションを効率化教育効果を高める可能性にも期待 「職業人教育を通して社会に貢献する」ことをミッションに掲げ、全国70校の教育機関で専門教育を実践する滋慶学園グループ。専修学校法が施行された1976年以来、これまでに500職種を超える人材を養成し、24万人以上の卒業生を輩出してきました。同グループをIT面からサポートしているのが、グループ企業のブレーンスタッフコンサルタンツ(BSC)です。 同社の教育部門は、学生に対するPCスキル教育や、教職員に対するPC活用スキル教育を提供するとともに、eラーニングをはじめとする新しい教育システムを提案し、学校教育全般に対するIT利用をサポートしています。そのため、有望なITツールはいち早く導入し、まず社内で検証したうえでグループに活用の提案を行っています。その一環として、2016年に導入したのが、遠隔教育・ウェブ会議システムのBlackboard Collaborateです。現在は、社内でのコミュニケーションに積極的に活用し、学校での活用についても検証を行っています。 社内のコミュニケーション課題を解決するツールとして期待 株式会社ブレーンスタッフコンサルタンツ 教育業務次長森 清人 氏 Blackboard Collaborateを導入した目的について、教育業務次長の森清人氏は次のように語ります。 「当社では数年前から、eラーニングや遠隔授業で学生とリアルタイムにコミュニケーションができるツールを探していました。Collaborateは豊富な機能を持っており、プラグインは不要でブラウザベースで利用できます。また、当社で利用している学習管理システム(LMS)のMoodleと連携もできることから、まず社内で導入し、使い勝手を検証することにしました」 BSCの教育部門では、スタッフのコミュニケーションツールとして活用されています。教育部門のメンバーは、大阪の本社と東京事務所に分かれて業務を行っています。また、BSCはグループ内の13校で、約3000人の学生にPCスキル教育を行っており、同社の契約インストラクターが各拠点で授業を行っています。このようにメンバーやインストラクターの拠点が分散しているため、日常的なコミュニケーションが取りづらいという課題がありました。 「従来はスケジュール管理システムやメール、電話などでやりとりを行ってきましたが、PC画面を見ながら説明すれば簡単に伝わることが、なかなかうまく伝わらず、もどかしい思いをすることが頻繁にありました。また、表情を交えてコミュニケーションをとることの重要性も認識していました。Collaborateを導入すれば、ビデオ通話ができますし、PCの画面を共有しながら話し合うこともできますので、コミュニケーションが円滑になるのではないかと期待しました」(森氏) コミュニケーションを円滑にする多彩な機能を評価 社内のコミュニケーションツールとして実際にCollaborateを活用してみた結果、森氏は特に有効性を感じている機能として、以下の3点を挙げています。 1)アプリケーションとデスクトップの共有 特に操作手順の確認やイメージの共有などがしやすく、ミーティングや教材開発などを効率よく進めることができます 2)セッションの録画機能 会議のログを取ることができ、参加できなかったメンバーも後から内容を確認することができます 3)LMS(Moodle)との連携 Moodleのコースの中にCollaborateのルーム(会議室)を設定することにより、Moodleのユーザー管理をそのまま継承することができます。そのため、Moodleにさえ入ってもらえれば、すぐに利用してもらうことができます」 「ルームがいくらでも作れるのは有り難い」と森氏。「部門ごとにルームをつくれば、部門内での日常的なコミュニケーションにもっと使えるはず」と期待を寄せています。 教育部門でPCスキル教育を担当する三浦菜穂子氏は、社内でCollaborateを最も活用しているメンバーの一人です。 「教室で何か問題などが起きた時などに、インストラクターとの連絡に使っています。また、新しい技術をインストラクターに講習する際、全員を集めて実施することは難しいため、Collaborate上で行うこともあります。特に役立っていると感じるのが教材制作です。本社から電車で1時間半ほどかかる教室に常駐しているインストラクターに、動画編集などを依頼することが多いのですが、逐一指示や報告をしながら仕事を進めることができます。以前は電話でのやりとりが中心で、時には実際に教室まで行くこともありました。時々、インターネット通話ソフトを使うこともありますが、途中で音声が途切れたり、音質が悪かったりすることがあり、ストレスを感じました。それに対してCollaborateは、音声も動画も安定していて、ストレスなくやりとりができるので有り難いです。また、互いに表情を見ながら話をすると、意思疎通がしやすく、仕事もスムーズに進みます」 ネットワーク部門に所属するラーニングデザイナーの塩山智史氏は、将来を見据えて次のように評価します。 「今後は日本の教育界も、eラーニングがもっと普及していくと思います。eラーニングを行う上で、大切になるのがコミュニケーションです。それを円滑にできるところがCollaborateの優れた点だと思います。また、操作も直観的にでき、誰にでも使いやすいところも、教育ツールとしては重要なポイントだと思います」 佐藤氏は、ネットワーク部門の立場からこう評価しています。 「Moodleとの連携のしやすさが一番に挙げられます。また、WebRTCに対応したツールの中でも、Collaborateは音声と映像の品質の安定性が非常に高いと思います」 通信教育での検証で、効果を確認 株式会社ブレーンスタッフコンサルタンツ コンピュータ教育 三浦 菜穂子 氏 BSCでは、Collaborateについて教育現場での検証も行っています。現在は、保育士通信教育科の教員と一部の学生(12名)の間でのコミュニケーションに試用しています。 「教員と学生の皆さんに自由に活用していただきながら、メリットや課題を蓄積しているところです。CollaborateとMoodleは連携できるため、従来通りMoodleからアクセスすればよく、教員も学生もMoodleは使い慣れていますので、Collaborateの使い方だけを覚えればよく、負担をかけずに利用いただいています。試用し始めてまだ3カ月ですが、我々も驚くくらい活用いただいています」(森氏) 通信教育科では、学生は普段、自宅で教材を使って学習を行い、レポートを定期的にLMS上で教員に提出し、教員が添削してLMS上でフィードバックする形で行われています。教員と学生たちが顔を合わせる機会は年に数回しかなく、コミュニケーション面で課題がありました。そこで、Collaborateを活用し、次のような取り組みが行われています。 〈通信教育科での取り組み内容と教員の評価〉 ・ホームルーム(全学年/月1回) 「スクーリングは年に数回のため、普段の学生の状態はメッセージでしか把握できません。そこで月に1度、Collaborate上でホームルームを行うようにしました。すると、質問に対する学生の顔色や表情、服装などから、今、学習にどれだけ集中できているのか、日常生活にどのような変化が起こっているのか、といったことをつかめるようになり、様子がおかしいと感じた学生には速やかに対応できるようになりました。ノンバーバルコミュニケーションの重要性を再認識しました」 ・新入生面談(1年生/5月) 「新入生に対しては、4月上旬のオリエンテーションが終了すると、7月の面接授業日まで対面する機会がありません。そこで、5月にCollaborateを利用して新入生面談を行ったところ、入学初期の不安な思いを共有でき、モチベーションを維持することができました」 ・実習生面談(3年生/実習前後) 「3年生になると、保育実習があります。実習計画書の作成は教員と相談しながら進める必要があり、従来はレポート添削の形で指導をしてきました。しかし、真っ赤に添削された計画書を見ると学生は自信をなくし、また、その不安感から学校までわざわざやってきて指示を受けることも多くありました。そこで、Collaborate上で、添削した計画書をシェアしながら面談することで、『真っ赤な添削』は実は改善可能で、不安に陥ることはないと学生に認識してもらうことができました」 〈学生の声〉 「文章を考えてメッセージを送るという行為は大変しんどいです。そのため、これまでは自分の言いたいことをうまく説明できず、あきらめてしまっていたことが、対面で話せてよかったです」 「文書をシェアしながら、具体的な指示が得られるのでわかりやすいです。電話をするのは今一歩気が引けるので、助かりました」 「先生やクラスメイトと1カ月に1度会えるのは楽しかったです。時間を調整しても、参加したいと思いました。ホームルームはぜひ続けてほしいです」 教育活動への本格的な導入を検討 こうした教育現場の声を踏まえ、今後に向けて森氏は、次のように語ります。 「eラーニングツールというと、無味乾燥なイメージがありますが、Collaborateを活用することによって、コミュニケーションがより円滑になり、教育効果の改善にもつながることがよくわかりました。今後、通信教育を中心に、教育活動への本格的な導入を検討したいと思います。また、集合教育の遠隔講義での活用も試行したいと考えています」 Collaborateは、単なるコミュニケーションツールの枠にとどまらず、 教育のための道具としての機能が充実しています。また、ウェブ上で利用できるので ハンドリングもしやすいです。ルームという単位で目的別、参加者別の集まりを 複数作ることができるので、利用人数の多いところでは管理も容易になります。 LMSを利用している組織であれば、Collaborateを導入するメリットは大きいと思います - 教育業務次長 森 清人氏
詳細を見る -
- Blackboard
長崎大学様
教育改革の基盤となる教育支援システムをBlackboardで実現主体的な学修を促進し、アクティブ・ラーニングの導入を加速 教育改革の一環として、新たな教育支援システムを構築することになりました。私たちが求める要件をほぼすべて満たすものが、Blackboardだったのです。 ― 国立大学法人長崎大学 ICT基盤センター 准教授 古賀掲維 氏 江戸時代、日本で唯一の海外との窓口であった長崎。その歴史を引き継ぎ、長崎大学は開かれた大学としてグローバルな人材育成に定評があります。「出島に寄せし新潮に、文化の窓をひらきたる」と校歌にあるように、歴史的にも地理的にもオープンな校風を持っています。長崎大学の始まりは、オランダ軍医ポンペ・ファン・メールデルフォールトによる医学講義が行われた医学伝習所でした。これが1857(安政4)年のことですから、150年以上もの歴史を持つことになります。医学校から始まっているだけに医療分野の研究で知られ、熱帯医学研究所や原爆後障害医療研究所といった専門機関を有しています。 2004年の法人化以降、国立大学には個性の創出や競争力の強化が求められています。長崎大学ではこれをチャンスととらえて「教育改革」を宣言、2012年度(平成24年度)から大胆な変革に取り組んでいます。 その目的は、グローバル化社会の到来を背景に、国際社会でリーダーとなる人材を育成することです。具体的な人物像は、以下のとおりです。 研究者や専門職業人としての基盤知識を持つ人 自ら学び、考え、主張し、行動変革できる人 環境や多様性の保全に貢献できる人 地球と地域社会及び将来世代に貢献できる人 このリーダーを育成するための方針としては、アクティブ・ラーニングの徹底や英語力の向上、ディプロマポリシーに向けたカリキュラム整備と学習方法の改善などが掲げられ、2014年にはその一環として新たな教育モデルを実践する多文化社会学部も新設されました。政治・経済、文化、社会活動等、幅広い分野で活躍できる“長崎大学ブランド”のグローバル人材の育成が推進されています。 主体的学習促進支援システム「LACS」の構築 「教育改革にICT基盤の充実は不可欠」という学長の主張のもと、新たに構築すべき教育支援システム像が掲げられました。新しい教育支援システムでは学習管理機能はもちろん、コミュニケーション促進やポートフォリオ作成、学習成果の分析・可視化ができる機能等が求められ、それまで同大学で使っていた学習管理システム(LMS)とは一線を画するものでした。 「新システムは『主体的学習促進支援システム(Learning Assessment & Communication System)』略して『LACS(ラックス)』と名付けられ、検討が急ピッチで進められました」と、長崎大学 ICT基盤センター 准教授 古賀掲維 氏は説明します。古賀氏らチームは要件を整理し、LACSの構築方法として、独自開発からオープンソースLMS、パッケージ製品まで、ひとつひとつ検証していくことになりました。 まずは多言語対応。国際社会のリーダー育成が改革の目的であることからもわかるとおり、英語だけでなく多くの言語に対応していることは必須でした。この条件で、ほとんどの国産パッケージが対象外となり、海外製品かオープンソースLMSに絞られました。 次にカスタマイズ性。「当初はスクラッチによる開発も考えたほど、独自性の強い構想でした。カスタマイズ性が高い製品でなければ基盤として採用できませんでした」(古賀氏)。 さらに長期にわたる安定したサポート。オープンソースLMSでは、不具合等への自己対応やシステムのバージョンアップに伴うカスタマイズの再発生などのリスクが懸念されました。また、経営母体に不安のあるベンダーの製品も除外することになりました。これにより、最終的な有力候補となったのがBlackboardだったのです。「Blackboardをそのまま利用するのではなく、これをプラットフォームとしてLACSを構築していけるのではないかという判断ができました」(古賀氏)。 BlackboardのLMS(Blackboard Learn)は、ヨーロッパやアジア圏など、14カ国語に対応。世界75カ国、約9,300以上の高等教育機関・K12(小中高)等で導入され、利用者は1,500万人を超える実績があります。「大学の教育改革を担うシステムですから、全世界で数多く採用されている点は重要なファクターでした」と古賀氏は振り返ります。 セミナーとデモンストレーションで即決、1週間の準備で試験運用を開始 古賀氏はBlackboardを早くから知っており、実績にも機能にも不安はありませんでした。「2013年の年明けには最終候補としてBlackboardの話を学内でしていました。具体的な検討を進める中でBlackboardの国内総販売代理店であるアシストマイクロがセミナーを開いていることを知り、早々に上京して参加しました」と、古賀氏は経緯を語ります。チームのメンバー2名とともに1月開催のセミナーに参加し、詳細な製品情報を再確認します。さらに、同じタイミングでカスタマイズを担当するパートナー会社・SCSK株式会社とも綿密な打ち合わせを行い、Blackboardなら同大学の求めるLACSを実現できると確信します。 2月にはアシストマイクロが長崎に赴いてプレゼンテーションを実施。このプレゼンテーションには理事をはじめ20名が参加し、Blackboardの採用が正式に決定され、そして、4月には古賀氏が自らの授業でBlackboardの試験的な運用を開始しています。「試験運用ではカスタマイズは行わず、標準的な設定で稼働させています。この準備は1週間ほどで行いました」(古賀氏)。 1月にセミナー参加、2月にプレゼンテーションで採用決定、4月から試験運用開始。通常では考えられないほどのスピードで採用から運用まで進みました。 拡張機能で大学独自のポートフォリオを柔軟に実現 学生の主体的な学びを確立するため、長崎大学が構築を行っている教育支援システム(Education Support System)。柔軟なコミュニケーション機能を備えた学習管理システムであるBlackboard Learnをベースとして、各種ポートフォリオの作成機能だけでなく、分析・可視化(IR: Institutional Research)機能等が実装される予定。 2013年8月、試験運用期間にとりまとめた仕様に基づくカスタマイズを実施し、10月からの後期授業開始に合わせて先行運用を開始します。「先行運用ではまずはeラーニングに興味のある先生方に利用してもらいました」(古賀氏)。先行運用を半年行った後、翌2014年4月からは全学を対象として本格稼働に入り、2014年11月からは新たに構築したポートフォリオ機能も使えるようにしました。 長崎大学のポートフォリオには、学生が自身の学習の履歴を振り返り、学問や研究への取り組みを深めるための省察とあわせて、学生の履修状況や成績、出欠状況も確認できる、いわゆる「学生カルテ」のような役割もあります。 ポートフォリオ機能の構築にあたっては、当初BlackboardのContent Management*を候補に検討しましたが、最終的には複数のBuilding Blocks**も作成し、独自の要件を満たすポートフォリオを実現しています。 「長崎大学ならではのポートフォリオを構築するため、Blackboard上でパーツ(Building Blocks)を組み合わせ、ポートフォリオのテンプレートを作成するような仕組みを開発しました。学部によってはテンプレートの一部を調整して使用したいという要望もあるため、それぞれの部品もある程度カスタマイズできるようにして対応しています。このように、部品化した機能を組み合わせて使えるカスタマイズ性もBlackboardの魅力です」と古賀氏は評価します。ポートフォリオ機能の開発期間は5ヶ月程度でした。「ポートフォリオ機能が実装されたことで、目指しているLACSの大枠ができあがりました」(古賀氏)。 きめ細やかな講習会やパソコン必携化で利用環境を整備 極めてスピーディな採用決定と順調な運用ですが、その理由について、「やはり学長によるリーダーシップが大きいと思います。さらに、充実した講習会の展開、そして全学パソコン必携の3つが要因として考えられます」と、古賀氏は指摘します。 1.学長の強いリーダーシップ 教育改革は学長が打ち出したものであり、このLACSの構築も学長自身による強いリーダーシップで推進され、予算も確保されていました。LACSは全学が対象となる教養教育での利用が義務づけられているだけでなく、理事や教務委員会も学長の考えを受けてLACSの利用を教員に訴えることで、他の分野での利用も促進されています。学生に対しては、1年生前期の必修科目「情報基礎」でLACSの利用方法を説明し、LACSを利用する環境づくりをしています。 2. 充実した講習会の展開 先行運用を前に、2013年9月から教職員を対象にLACSの講習会を開いています。「この9月だけで10回、現在(2015年4月)までに100回以上開催し、参加人数は延べ1000人を超えています」(古賀氏)。教員だけではなく、職員の講習会参加も増えています。学務系の職員や講座に所属する職員にはLACSを利用した教育支援が求められるようになってきています。講習会資料としては「入門編」「実践編」「コース統合編」「グループ学習編」「採点・成績管理」「ポートフォリオ活用編」が用意され、新しいシステムでもスムーズに使えるよう充実したサポートが提供されています。また、教職員からの質問は古賀氏が受け付けており、対面からメール、電話とすべてに対応しています。メールの問い合わせは年間で800通ほどだったといいます(2014年度実績)。「せっかく利用していても、わからない部分があると止まってしまいますので、質問には迅速な対応を心掛けています。可能であれば即刻回答しますし、調査が必要な場合も、遅くとも翌日には何らかの返事をしています」(古賀氏)。 3. 全学パソコン必携 教育改革に伴って、2014年度の新入生からノートパソコンの持参が義務づけられました。LACSを活用したアクティブ・ラーニングを実践するためには学生がパソコンを持っていることが大前提であるためです。これにあわせてキャンパスにおける無線LANの環境も整備しています。「学生はパソコンを必ず持っていますから、たとえば、資料の事前配布や課題提出の受付をLACSで行ったり、授業時間にLACSでグループ学習をしたり、という運用が当たり前のように行えています。1人でも持っていなければこれはできません。教員は遠慮することなくLACSを使った授業ができます。パソコンの必携とLACSの活用、双方による相乗効果が生み出せると考えます」(古賀氏)。 学生質問への対応や採点業務の効率化に効果 「LACSを何らかの形で利用している授業数は1200~1300コマほどになります。基本的には実際の授業との併用で利用されており、資料の提示、課題の提示・回収、オンラインテストの実施などに活用されています。また、掲示板などコミュニケーション系の機能を利用したアクティブ・ラーニングの実践も行われています。学生の利用率もノートパソコンの必携化により着実に100%へ近づいています」(古賀氏)。学部、学科、研究室ではLACS上でコミュニティを開設して共有資料を保管したり、各種委員会では会議資料を共有化したりなど、ペーパーレス化も進んでいます。 このほか大きな効果として、「学生との質問のやり取りが簡便になりました。これまでは主にメールを利用して学生の質問に答えていましたが、それだと見逃す危険性があったり、学生がフリーメールなど本人確認を行えないアドレスを用いていて再度の本人確認が必要となってしまったりしました」と、古賀氏は強調します。LACSならユーザアカウントで本人認証が取れているため、個人情報を含む内容についても安心して回答することができますし、見逃すこともありません。 また、課題の提示から採点まで効率化されたことも大きな効果でした。「Blackboardは採点や成績管理機能が優れています。小テストを出すのも簡単ですし、採点も楽になりました。私は300人ほどの学生を受け持っていますが、昨年度は合計で8000件ほどの採点を行いました。提出されたレポートのファイルはLACS上でプレビューができるため、ダウンロードしていちいち開く必要がありません。また、ルーブリックによる採点表をチェックするだけで採点も行えるため、一連の流れが大幅に効率化されています。課題を多く出すことで学生の学習時間も増加する効果もあると期待しています」(古賀氏)。従来はレポートのファイルを一括ダウンロードし、別途成績表をつけていたため業務はかなり煩雑だったといいます。教員からの質問では、課題の一括ダウンロード方法が多く寄せられるのですが、古賀氏はこのBlackboard上で採点する方法を提案しているそうです。 あわせてBlackboardへの評価を伺いました。「実績のある学習管理システム(LMS)だけあって、サポートがしっかりしています。障害が発生しても原因を迅速に突きとめて解決してくれますので、学内からの問い合わせにも適切な対応ができます。質問や相談への回答もスピーディです。オープンソースではこれが期待できません」と、古賀氏はSCSKならびにアシストマイクロの対応を評価します。 最後にBlackboard導入を検討されている方々へのアドバイスをお伺いしました。「導入および活用を牽引する強いリーダーシップと、きめ細かなで迅速なサポート体制。この双方の力が不可欠だと思います。必要に応じてベクトルを分け、バランス良く展開できるといいのではないでしょうか。本学におけるBlackboardの導入は支援する私たちも驚くほどの急ピッチで進んでいきました。本学の場合、他の学習管理システムからの乗り換えも同時に行いましたので、当初は学内からの反発なども想定していましたが、利用者である教職員に対して徹底したサポートを迅速に行うことで、特に問題なくLACSを浸透させることができたと感じています」(古賀氏)。製品選定から導入、運用、サポートまで担当してきた古賀氏の言葉は、学習管理システム(LMS)等の教育支援システムを検討する教育機関にとって貴重な意見になるでしょう。長崎大学のLACSが今後どのように発展していくのか、注目されます。 Blackboardはデファクトスタンダードとして世界各国で採用されています。日本におけるサポート体制も充実しており、大学の教育支援システムとして安心して運用することができます。 ― 国立大学法人長崎大学 ICT基盤センター 准教授 古賀掲維 氏 *Content Management Blackboard Learnを構成するオプションモジュールのひとつ。個人、コース、組織といった各教育コンテンツの保管・共有、学生の学習経過と学習成果の蓄積、ポートフォリオ機能を備える。 **Building Blocks Blackboard Learnプラットフォームの拡張機能。製品にプラグインすることで、必要な機能を追加できる。これにより、プラットフォームのユーザ体験やワークフロー、データ保存機能を独自の方法でカスタマイズし、拡張することが可能。また、Blackboard Learnが公開しているアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用してBuilding Blocksを作成し、他の技術との統合や製品のカスタマイズを行うこともできる。 USER PROFILE:国立大学法人長崎大学 所在地: 文教キャンパス長崎県長崎市文教町1-14 片淵キャンパス長崎県長崎市片淵4丁目2-1 坂本キャンパス1長崎県長崎市坂本1丁目12-4 坂本キャンパス2長崎県長崎市坂本1丁目7-1 設立:1857年 学生数:学部生7,623名 大学院生1,483 外国人留学生444名 http://www.nagasaki-u.ac.jp/ 導入事例をPDFでダウンロードする PDFダウンロードリンク 本導入事例は2015年3月の取材に基づくものであり、現在の状況と異なる場合がございます。 本文中に記載されている社名、製品名、ロゴマークは各社の商標または登録商標です。 本導入事例・Blackboard製品に関するご照会は以下のお問い合わせ先までお気軽にお寄せください。 [inquiry]
詳細を見る