「BPMコラム」記事一覧
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2017/08/02【現場に即したBPMとは】Part4- 業務プロセスを見える化するには “フローチャートの作成”
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こんにちは。 BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director(ビーピーディレクター)」を担当していますKenです。 “現場に即したBPMとは”Part4では “フローチャートの作成”についてお話ししたいと思います。 Part2でプロセスオーナの重要性、Part3で属人化、見える化についてお話しましたが、今回は実際に業務を見える化するフローチャートの作成、つまりプロセス図の作成について説明します。 BPMNってなに? BPMNって聞いたことがあるでしょうか?Business Process Modeling Notationの略で、日本では「ビジネスプロセスモデリング表記法」なんて訳されたりもしています。一言でいうとビジネスプロセスを表記する際のルールです。システムに詳しい方は、UML(Unified Modeling Language)のアクティビティ図を想像する方もいらっしゃるかもしれません。どちらもアクティビティ図(要はフローチャートです)を記載するものですが、よりBPMNの方がビジネス寄りともいわれています。 「じゃあフローチャートでいいじゃない」と思われる方も多いのではないでしょうか? 私個人の意見としては、ビジネスプロセスを表すことができればなんでもいいと思います。 ではなぜBPMNという記述法があるかというと、業務プロセスを改善するためには、プロセスオーナーだけではなく、実際に業務を行う人、システムで運用を行う場合はシステムを構築する人、サポートする人、すべての参加が必須だからです。たとえばプロセスオーナーが英語、業務を行う人が日本語、システム管理の人がフランス語ではコミュニケーションをとることは難しいですよね。それと同じで、みんながわかりやすく、意思の疎通を図るために、ルールを決めよう!!と作成されたものなのです。意思の疎通が図れれば形にこだわる必要はないと思いますよ。 As-Is? To-Be? 普通はここで書き方を説明しますが、BPMコラムは業務を改善するための参考情報を提供したいという目的があります。プロセスオーナーも決まった、対象業務も決まった、それではプロセス図をBPMNで書きましょう!となった場合、何を書けばいいでしょう。 ここで「As-Is」と「To-Be」を簡単に説明したいと思います。 As-Is ・・・ 現在の業務プロセス、現在の姿 To-Be ・・・ そのプロセスのあるべき形、目標とする業務プロセス ※業務プロセスのAs-Is、To-Beの場合です。 業務プロセスを改善するためには、現在のプロセスを十分把握する必要があります。そのプロセス図を元に改善点を探るためにはAs-Isのプロセス図を作成します。現状が把握でき、改善できるところから改善するには最も適切な方法ですが、デメリットとして現在の業務から離れることが難しい点が挙げられます。 一方、To-Beを先行させて業務プロセスを考えた場合、理想の姿を共有することができます。そこから、現状とのギャップを埋めて業務改善を行なっていく方法があります。メリットとして、理想の形に短期間で業務を改善できる可能性がありますが、組織や担当変更などドラスティックな対応をする必要があったり、あまりに現状と乖離してしまうと絵に描いた餅となる可能性があります。 まず、ビジネスオーナーはどういったアプローチで業務プロセスを検討するか、十分に考える必要があります。また、どちらの場合もどこまで細かく記載するかを合わせて考えます。 BPMNの書き方 では、本題のBPMN図の書き方を簡単に説明したいと思います。 まずは記載する領域の設定を行います。Swimlane(スイムレーン)という組織や役割を記載するレーンを利用するか検討します。おそらくプールのレーンに似ているからSwimlaneというのではないかと思います(実際のプールのレーンはcourseとか単にlaneと言います)。参加者が多い、プロセスが長い場合などには利用するとわかりやすいと思います。使いたくなければ使わなくても問題ありません。 記載する領域が決まったら、実際に描いてみましょう。重要なのは3つ、「プロセスの開始」、「プロセスの終了」、「アクティビティ(タスク)」だけです。レーンの左からプロセスの開始は細い丸、次にタスクの数だけ四角、最後にプロセスの終了に太い丸を描いて、線でつなげるだけ。たったこれだけです。簡単ですよね。 また、実際の業務にはさまざまな分岐がありますよね。条件によって処理が分かれるときは菱形、並列で複数のタスクを同時に実行したい場合は菱形の中にプラスが入ったマークを記載します。並列の場合、また一緒になるときも菱形の中にプラスを書きます。 他にもメッセージやサブプロセスを呼び出すといった色々な記号がありますので、興味のある方は書籍やインターネットなどでご確認ください。 * ちなみに、よくある稟議申請業務をBPMN図にしてみると、こんな感じです。申請者の上司に稟議がまわり、申請内容の金額(ここでは100万円)が分岐条件になっていて、条件を満たす場合は役員にも決裁を仰ぐというフローです。 BPMNの記述ツールなど 現在、MicrosoftのVisioやフリーソフトなど様々なツールがありますので、こういったツールを使うと簡単にBPMNを書くことが可能です。各種の記号もあらかじめセットされているので、手軽に作ることができます。また、AppStoreなどで購入できるものから、BPMN図の共有などもできる多機能なソフトも発売されています。もちろん、手書きで書くのも味があっていいと思います。いきなりツールを使って書くのではなく、何人かでホワイトボードや模造紙に書き出してみるのも、認識の共有や新たな発見に役立つのではないでしょうか。 話がそれますが、F1にエイドリアン・ニューウェイ(Adrian Newey)という天才デザイナーがいます。名門ウィリアムズ、マクラーレン、現在はレッドブルに在籍していますが、7回もチャンピオンマシンを設計しました。CADが当たり前になった現在でも、彼は未だに図面を手書きで書くそうです。ぜひ、手書きで描いてみませんか?あなたのTo Beフローが輝くかもしれません!!(ただし、プロセス改善の時には再度、一から記述する必要があるので、効率が悪くてもアシストマイクロでは責任は持てません、、、) なお、ここまでBPMNについて書いてきましたが、アシストマイクロが提供するBP Directorは、実はBPMNを意識しなくてもマウスのドラッグ&ドロップだけで直感的に業務フローを描けるようになっています(!)。ですので、「BPMN、ちょっとハードルが高そう……」と感じられた方もご安心ください^^ 次回はクラウドで利用するBPMについてご紹介したいと思います。 関連情報 Webセミナー「BPMソフトってワークフロー、業務パッケージと何がちがうの?」 業務を管理するソフトウェアのひとつ、「BPM」(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)。ワークフロー化による業務の可視化だけでなく、業務状況の分析や継続的な改善までサポートしてくれる高度なBPM製品は、定型的な業務にとどまらずさまざまな業務シーンでの活用が可能です。本セミナーでは、このようなBPM製品とグループウェアやワークフローソフトウェアと比較しながら、どのような違いがあるのか、それぞれのメリットやデメリットを解説いたします。 詳しく見る Webセミナー「業務の見える化、自動化を行うBP Directorの紹介」 BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director」は、あらゆる業務のながれを見える化して、処理状況のリアルタイムな把握や複雑な業務の自動処理を可能にするソリューションです。既存の紙帳票から簡単に電子フォームを作成してペーパーレスな業務を始めたり、管理したい業務のながれをドラッグ&ドロップするだけで設定できたり、お客様自身でも手軽に業務管理に取り組めます。Webセミナーでは、身のまわりにある業務をどのようにシステムで管理できるのか、見える化や自動化によってどんな効果が得られるのか、業務改善を行うための基本からお客様における実例までご紹介します。 詳しく見る
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2017/06/22【現場に即したBPMとは】Part3- 属人化、見える化
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こんにちは。BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director(ビーピーディレクター)」を担当していますKenです。 “現場に即したBPMとは”Part3では“属人化”・”見える化”についてお話ししたいと思います。 世の中、特にBPMの世界では見える化・可視化を進めて属人的な業務を排除しようという流れがあることは皆さんもご存知だと思います。本当に属人化はビジネスを推進する上での阻害、悪なのでしょうか? 属人化=悪? 一つの例で考えてみたいと思います。昔からある1軒の美味しいお寿司屋さんがありました。このお寿司屋さんでは、大将と呼ばれるオーナーがお寿司を握ります。従業員は息子とアルバイトが数名いる町のお寿司屋さんです。 大将の指示で、息子はネタの仕入れ、仕込みを行いますが、つけ場でまだ握る機会はありません。大将はお寿司をお客様に提供するというプロセスのプロセスオーナーでした。この例でいうと大将の握りは属人化しています。息子もアルバイトも握りを提供することはできないため、大将がこのプロセスでは必須になります。 ビジネスの世界に置き換えて考えてみると、属人化している大将の“握る”というアクティビティを見える化してマニュアルを作成すれば、果たして息子さんは“握る”というアクティビティを実行できるのでしょうか?また、最近注目されているAI(artificial intelligence)をロボットに組み込めば自動化できるのでしょうか? 少なくとも現状答えは“否”だと思います。つまり、属人化は必ずしも悪、排除すべきことではないのです。 では、“見える化”しなくていいのでしょうか? 属人化を認めるということは見える化をしなくていいのでしょうか? 大将が趣味の草野球で手を怪我してしまったら、お店は休まざるをえません。その場合、大将が握れなくなったときの対応をあらかじめ考えておくことにより、損害は最小限で済むかもしれません。一方、比較的誰でもできる業務を属人化してしまうと、アクティビティを担当している人はずっとそのタスクをやり続ける必要があり、他の人がそのタスクを実行するチャンスを奪ってしまいます。 つまり、属人化せざるをえないアクティビティと、属人化を排除した方がいいアクティビティがあるということになります。それを見つけるためには、業務を見える化する必要があります。 では、もう少し具体的に属人化を好む人の特徴や対策を考えたいと思います。 属人化を好む人の特徴は? 自分しかできない業務を作ることにより、会社や上司、部下へアピールする(会社や上司からは仕事離れが悪い社員と思われていることをおそらく本人は気づいていない) 周りのチームメンバーを信頼せず、協力もできない(おそらく自己責任と履き違えているかもしれません) 辛い仕事は自分がやればいいと自己犠牲的な思考を持っている(気持ちはありがたいのですが、その人が休んでしまうと業務は進みません。辛い仕事は得てして、問題発生時にはクリティカルなケースになってしまうことが多い気がします) ではどうすればいいのか? まず見える化をして、どこが属人化しているのか把握するところから始めます 属人化しているアクティビティが許容できるものか、できないものか考えます 属人化を許容する場合、担当者が退職、異動、お休み時のことを考えておきましょう (今回のお寿司屋さんの例でいうと、お持ち帰り用いなり寿しをランチタイムで販売する、大将のお父さんである先代の親方に代わりにつけ場に立ってもらう、お刺身を提供する居酒屋に一時的にスタイルチェンジをするなど、、、) 属人化を許容しない場合、マニュアルの作成やユーザトレーニングを進める 属人化の完全排除より、属人化を許容した業務とも向き合っていることが大切 業務を“見える化”して、プロセスの見直しを行い、属人化を排除する。BPMを推進する上でのベストプラクティスであることは間違いありません。しかしながら、属人化せざるを得ない、属人化が強みになっているケースもビジネスには必ずあります。全てを白黒で決着するのではなく、必要な属人化を認め、担当者が不在になったケースの対応策やフローチャートでの迂回策を考えておくというような、プロセスがあってもいいんじゃないかと思います。 たとえば、よくある営業プロセスなら、初めての訪問からクロージング、受注するまでに複数のステップがありますが、見込客の状況に応じて、デモンストレーションを行うのか、費用の調整をする方がいいのか、といった行うべきタスクも変動しますし、必要な提案回数や訪問回数も一律で決められるものではないでしょう。すべてのケースを洗い出して細かな手順やタスクにまで落とし込むことができれば属人化は排除できるかもしれませんが、そのすべてにプロセスマップやフローチャートを作成するには膨大なコストがかかりますし、標準化したことでこれまで個々の営業担当者がもっていた強みや良さを失ってしまうケースさえあるかもしれません。 このようなプロセスであれば、「初回訪問」→「再訪問」(ループあり)→「見積提示」→「クロージング」という程度のプロセスで見える化を行い、“「再訪問」は営業担当者に任せる”と属人化を許容することも考えられるのではないでしょうか。属人化に伴うリスクまで想定しておけば、担当者が不在時の対応をあらかじめ検討したり、営業スキルやコミュニケーション能力などの教育を各担当者に実施することで全体の質を向上させる、といった具体的な対策を取ることが可能になります。 コンサルタントや様々なセミナー、書籍などでは、ベストプラクティスや企業のあるべき姿などが大所高所から述べられています。これらの観点は素晴らしいものですが、それを理解し、消化して、様々な業種・業態・企業に合わせた形で取込み、さらなる進化を遂げることがBPMのあるべき姿ではないかと思います。 皆さんの周りに属人化している業務はどれだけありますか?それは共有化や標準化が可能なものですか? まずは、業務の“見える化”からはじめてみませんか? 関連情報 Webセミナー「業務の見える化、自動化を行うBP Directorの紹介」 BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director」は、あらゆる業務のながれを見える化して、処理状況のリアルタイムな把握や複雑な業務の自動処理を可能にするソリューションです。既存の紙帳票から簡単に電子フォームを作成してペーパーレスな業務を始めたり、管理したい業務のながれをドラッグ&ドロップするだけで設定できたり、お客様自身でも手軽に業務管理に取り組めます。Webセミナーでは、身のまわりにある業務をどのようにシステムで管理できるのか、見える化や自動化によってどんな効果が得られるのか、業務改善を行うための基本からお客様における実例までご紹介します。 詳しく見る
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2017/06/01【現場に即したBPMとは】Part2-プロセスオーナーの重要性
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こんにちは。BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director(ビーピーディレクター)」を担当していますKenです。 “現場に即したBPMとは”Part2ではプロセスオーナーについてお話ししたいと思います。 BPMでは“業務プロセス”、“業務”、“プロセス”など様々なワードが出現し、Webサイトやベンダーなどによって様々な定義がされています。元々BPMのビジネスプロセスから翻訳や変換されており、ビジネスと一言で言っても様々な捉えかたが可能であるため、このようなWebサイトやベンダーの説明は全て正解と言えるかもしれません。(なんだかわかりにくいですね…) 今回お話しする“プロセスオーナー”の“プロセス”ですが、1つの業務と考えてください。例えば、見積作成業務、PC購入業務、IDカード発行業務など、顧客や従業員などからの要求があり、業務が順番に処理され、完了するといったタスクのカタマリのことです。“プロセスオーナー”とは、その業務の責任者、管理者になります。たとえば見積作成業務であれば、ある営業担当者が作成し、承認行為が行われ、最終的に顧客に見積書が提示されます。このようなフローの流れを管理する責任者が、見積作成業務の“プロセスオーナー”です。 フローの管理責任者ですから、金額や内容によって最終承認者が変わる、部署によって承認フローが異なる、などのプロセスを決める必要があります。また、その見積作成業務は効率的なのか、潜在的なリスクはないのか、などの判断を行う必要もあります。効率を求めるあまりミスが発生したり必要な手続きを抜かしたりするリスクが高くなる、その逆で手間をかけすぎて遅延が発生していることもあるかもしれません。経営的な判断が求められるケースもあるでしょう。 ここまで説明すると“プロセスオーナー”は結構大変な業務ですね。この役割を担うのは、担当部署の責任者や本部の管理部門というケースが一般的ですが、最近では、必ずしも責任者ではない従業員に権限を与えているケースもあります。どちらでも組織やプロセスに適応した形であれば、問題はありません。1つ重要なポイントとしては“プロセスオーナー”は必ず設置する必要があるということです。“プロセスオーナー”が不明瞭だとBPMを推進することができないと言っても過言ではないかもしれません。 プロセスオーナーが不在だと…… ここで、“プロセスオーナー”を設置せずにプロセスの見える化とシステム化を行い、うまくいかなかった例をご紹介します。 その会社では、プロセス改善のためにBPM製品を導入し、全社的に業務改善を行うことを計画していました。トップダウンでシステム導入を行なったものの、業務改善を推進する部署やスタッフ、各プロセスのオーナーはいない状態でした。プロセスオーナーが明確ではないにもかかわらずトップダウンでシステム導入を行なったことから、業務プロセスを現状のままIT化するという手法をとり、本番運用を開始しました。 本番運用開始後、以下の問題が発生しました 複数の部署が利用する業務プロセスを、お互いに他部署のタスクを意識せずに構築してしまったため、本来は先行タスクでやるべきことなどが決まらないままプロセスが進み、後続タスクでの負荷が増えてしまった。(具体的には最初の部署で顧客への確認タスクがあり、そこで合わせて確認すればいいこととを確認せずに、他部署の後続タスクで再度顧客確認を行なっていた。) 業務プロセス改修時に関連タスクを考えずに改修を行い、他部署の業務がシステム導入前よりも非効率になってしまった。(具体的には後続タスクの担当者が自部署のタスクの効率化のみに焦点をあてて改修してしまったため、先行する他部署のタスクで処理すべき項目が増えてしまった。) 業務プロセス全体の管理を誰もやっていなかったので、数値的な管理や全体の最適化等を全く行わないまま業務が進んでしまっている。つまり、プロセス改善が全く行われていない状態になっている。 各部署や担当者が個別に改修を行なってしまっているので、部分的に属人化したシステムになってしまっている。特に、担当者が退職してしまった後に、どのような仕組みや考えで想定されたかわからない業務プロセスや機能が数多く発生してしまった。 このような状況を改善するために、この会社が行なった施策は 全てのプロセスを再度洗い出し、プロセスオーナーの部署や担当者を明確に定めた。(代表からの任命でプロセスオーナーを決めたため、それなりの権限も与えられた。) 業務プロセスに関して、フローチャートやタスク割り当てなどをドキュメント化した。 システムの管理者権限や編集権限に対してルールを作成した。 業務プロセスに1つ1つに対して、数値目標などを設定し、“プロセスオーナー”が四半期ごとにレビューを行い、結果を経営会議上で報告することを定めた。 まだ期間が短いため大きな結果は出ていませんが、この会社では 一部のプロセスではシステム導入以前に比べて、完了までの日数が大きく削減された。 “プロセスオーナー”が部門間の調整を行うことにより、一部プロセスではかなりシンプルな業務プロセスに変貌を遂げた。 “プロセスオーナー”のレビュー結果が全社で共有されているため、プロセス参加者の業務に対する意識が高まった。 “プロセスオーナー”の業務負荷は一時的に上がったが、現在では月10時間未満と直接的な業務に影響があまりないところまで安定して運用できてきている。 といった結果が出てきています。 ビジネスプロセスマネジメントは、PDCAサイクルを回して業務を継続的に改善することを明確にしています。PDCAサイクルは参加者全員、全社で回していくものですが、なかなか全員の意識を一致させることは難しいものです。そのようなときに重要な役割を担うのが“プロセスオーナー”なのです。 かのナポレオンが “指揮官たる一人の愚将は、二人の良将に匹敵する。” という言葉を残したと言われています。今まで愚将の“プロセスオーナー”にお会いしたことはありませんが(笑)、仮に愚将であったとしても“プロセスオーナー”を設置し、管理や指示を一本化することは大きなメリットがあると言えると思います。 今回のコラムは、弊社が提供しているBP Directorのようなシステムを導入する前の段階のお話しかもしれません。プロセスオーナーを設置し、それぞれが担当する業務プロセスの見直しや策定を行うことは簡単ではありません。しかしながら、どんなに素晴らしく高価なシステムであっても、導入しただけでは業務プロセスが劇的に変わることはありません。BPMソフトは業務を改善するための便利なツールでしかなく、このような取組みが重要なのです。 ツールをいかに有効的に使うことができるか、BPMソフトにかかわらず全てのITに関して言えることかもしれませんね。我々ベンダーも様々なお手伝いができるように精進していきたいと思います。 今回のコラムでBPMやBP Directorに興味が出てきたという方には、各種のWebセミナーで詳しいお話をしていますので、ぜひお気軽にご参加ください! 関連情報 Webセミナー「BPMソフトってワークフロー、業務パッケージと何がちがうの?」 業務を管理するソフトウェアのひとつ、「BPM」(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)。ワークフロー化による業務の可視化だけでなく、業務状況の分析や継続的な改善までサポートしてくれる高度なBPM製品は、定型的な業務にとどまらずさまざまな業務シーンでの活用が可能です。本セミナーでは、このようなBPM製品とグループウェアやワークフローソフトウェアと比較しながら、どのような違いがあるのか、それぞれのメリットやデメリットを解説いたします。 詳しく見る Webセミナー「業務の見える化、自動化を行うBP Directorの紹介」 BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director」は、あらゆる業務のながれを見える化して、処理状況のリアルタイムな把握や複雑な業務の自動処理を可能にするソリューションです。既存の紙帳票から簡単に電子フォームを作成してペーパーレスな業務を始めたり、管理したい業務のながれをドラッグ&ドロップするだけで設定できたり、お客様自身でも手軽に業務管理に取り組めます。Webセミナーでは、身のまわりにある業務をどのようにシステムで管理できるのか、見える化や自動化によってどんな効果が得られるのか、業務改善を行うための基本からお客様における実例までご紹介します。 詳しく見る
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2017/04/17【現場に即したBPMとは】Part1-複数部門が複雑に関わる社員受け入れ業務を管理する
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こんにちは。BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director(ビーピーディレクター)」を担当していますKenです。これから不定期に“現場に即したBPM”を紹介したいと思います。 BPMとはビジネスプロセスマネジメントの略ですが、まだまだ耳慣れない方の多い、なんでも略してしまうIT業界特有のワードですね。略せば賢そうでかっこいいと思ってしまう人の多いIT業界の悪い癖だと思いませんか?要は業務を管理して、改善してきましょうという、トヨタ自動で有名になった“カイゼン”みたいなものですね。それを生産現場だけではなく、様々な企業の業務に適用しよう!!という考え方です。 BPMを取り入れることで、計画・実行・評価・改善というPDCAサイクルによる業務管理が可能に 新しい社員の迎え入れ、さまざまな部門で準備が発生 さて、話は変わりますが、4月は新入社員や人事異動の時期ですね。個人的には花粉の時期で辛い時期ですが、当社でも毎年数名の新入社員が入社します。まだ仕事は何も知らない新入社員ですが、考え方や前向きな気持ちに周りも感化され、非常にいい影響がありますね。この気持ちをずっと持っていてもらいたいと思うものです。(不良社員の私はもう持っていないかもしれませんので反面教師としてください、、、) しかしながら、新入社員を迎え入れる部門、特に総務、人事、ITの関係者は大変な時期でもあります。新たな気持ちで入社する新入社員や心機一転新しい部署に異動してきた社員、迎え入れる側が十分な準備をして気持ちよく迎えたいものです。今はなき、世間を騒がせた企業のようにとりあえず会議室で、退職者がでて席が空いたら座席を決めるなんて企業はあまりないと思います。 では、新入社員を迎え入れるあたりどんな準備が必要でしょうか? 新入社員の受け入れ準備の一例 新入社員から提出してもらう書類(住民票、成績証明書、マイナンバー等) さまざまな書類を受領します。入社前にあらかじめ提出してもらっているケースもあるかもしれませんね。 会社から書式を提示して、提出してもらう書類(雇用契約書、誓約書、給与振込の口座情報等) 企業によって異なりますが、こちらも入社前に準備しておくケースが多いかと思います。 座席、内線電話、個人ロッカー、IDカード等の手配 配属先が決まったら、働く場所も用意しなければなりません。 オリエンテーション完了までは配属が決まらない企業もあるので、入社後に対応するケースもあります。 パソコン、スマートフォンの手配、利用するアカウント、メールアドレス等の発行 パソコンやスマートフォンといった物理的な端末や、メールアドレス、社内の各システム等のアカウントも用意する必要があります。 オリエンテーション ビジネスマナーや個人情報保護、セキュリティ教育の実施、就業規則や社内規程の説明、業務の説明やトレーニングなど様々です。 このような準備は、おそらく企業の大小に関わらず実施しているのではないでしょうか。 もうお判りかと思いますが、ざっくりと挙げただけでも総務や人事、管理、情報システムとさまざまな業務領域が関わっています。これらの業務を1人、もしくは1つの部署ですべて行うケースは少ないかと思われます。 複雑に絡み合う業務― 属人化によるリスクや見えていない無駄が発生? では、複数の異なる部署で受け入れ準備を実施する場合、どの部門の、誰が、いつから、どの準備に取り掛かるのがいいのでしょうか? 例えば、メールアドレスの作成はITの領域ですが、新入社員の個人名などがわからないと作成できないケースがほとんどですので人事から情報提供がなければ動けませんし、各アカウントの発行にもメールアドレスなどが必要になるかもしれません。また、パソコンを使った研修を行いたいというときも、パソコン自体の手配は総務部門、セットアップはIT部門、研修は人事部門と、ひとつの準備でも実際は関与する担当者が複数いる場合もあり、それぞれがその研修が入社後何日から始まるのかという期日を意識して動く必要があります。 つまり、これらの業務は複雑に絡み合っているのです。 企業規模にもよりますが、受け入れ業務は属人化しているケースも多く、毎年各部門の同じ担当者が準備を進めていることもあるのではないでしょうか?もちろん何年も行なっていれば、“あ・うん” の呼吸で連携ができているかもしれません。でも、その担当者が退職したら?異動したら?…属人化はその時に問題になります。 一方、各部門のなかのさまざまな担当者が対応する体制を取っているところもあるでしょう。ただ、受け入れ業務は日常的な業務ではなく、別の業務を抱えている担当者に受け入れの全体スケジュールをしっかりと共有して期日までに動いてもらうのは難しい面もあるのではないでしょうか。もしかしたら「アカウント発行に着手したかったのに必要な情報が来ていなかった」「実は個別に進められる準備があったのに無駄に待機していた」といったロスが発生しているかもしれません。 複数の部門や担当者に渡る業務、個々の担当者が自分の業務を正確に把握し、定められた期日までにきちんと完了するにはどうすればよいのでしょうか? BPMなら、複数担当者が関わる業務も明確に管理可能に このように、複数部門が関与する複雑な業務も“カイゼン”できるのがBPMです。 BP Directorでこの受け入れ業務プロセスを構築するとこんな感じです。 BP Directorで「受け入れ業務」を管理。やるべきタスクが「アクティビティ」に一覧化され、「タイムライン」でそれぞれの所要期間や依存関係の状況が把握できます。 BP Directorでは、一般的なフローチャート形式のワークフローはもちろん、ガントチャート形式でも業務を可視化し管理できる「タイムライン」という機能があります。 このタイムラインでは、あらかじめ必要な受け入れ準備をリストとして書き出すことで“見える化”し、各担当者にタスクとして割り当てます。タスクは依存関係を持っているものも、独立して処理できるものも、あわせて管理することができ、それぞれに処理の予定時間や期日を設定することが可能です。 依存するタスクが完了したら自動的に次のタスクを実行する担当者にメールでタスクの実行を促しますので、無駄な待機時間や別の部署にいちいち状況確認する必要もなくなります。さらに、予定より遅れているタスクがあれば、関係者に遅れることをメールで知らせますので、全体的なスケジュールに影響が出ないように対策を講じることも可能になります。 どうでしょう、複雑な業務が少し見えるようになったと思いませんか? 業務を可視化して管理することの重要性 今回は新入社員の受け入れ業務を例に取り上げましたが、そのほかにも複数の担当者や部門が関わる複雑な業務はみなさんの周囲にたくさん存在していると思います。このような並列処理や依存関係が入り混じっている業務は、一般的なワークフロー機能では管理しづらい領域ですが、BP Directorなら、業務の特性にあわせてワークフローとタイムラインのどちらの方法でも業務を可視化して管理することができます。 今順調に進んでいる業務でも、何か発生した時に大きな問題へと発展するケースは多々あります。業務を見える化しておくことで、各業務が予定通りに進んでいるのか、何かイレギュラーが発生していないかが把握できるようになり、さらに、遅延予測などのようなアラートを受け取れることで、次に打つべき手を速やかに検討することも可能になります。 例えば自動車の任意保険は何もなければ基本的に掛け捨てですが、何かがあった時のために入りますよね。日々の業務でも、何かがある前に対応を行えることは、事業継続する上で非常に重要なテーマとなっています。 今回のコラムでBPMやBP Directorに興味が出てきたという方には、各種のWebセミナーで詳しいお話をしていますので、ぜひお気軽にご参加ください! 関連情報 Webセミナー「BPMソフトってワークフロー、業務パッケージと何がちがうの?」 業務を管理するソフトウェアのひとつ、「BPM」(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)。ワークフロー化による業務の可視化だけでなく、業務状況の分析や継続的な改善までサポートしてくれる高度なBPM製品は、定型的な業務にとどまらずさまざまな業務シーンでの活用が可能です。本セミナーでは、このようなBPM製品とグループウェアやワークフローソフトウェアと比較しながら、どのような違いがあるのか、それぞれのメリットやデメリットを解説いたします。 詳しく見る Webセミナー「業務の見える化、自動化を行うBP Directorの紹介」 BPM&ワークフローソフトウェア「BP Director」は、あらゆる業務のながれを見える化して、処理状況のリアルタイムな把握や複雑な業務の自動処理を可能にするソリューションです。既存の紙帳票から簡単に電子フォームを作成してペーパーレスな業務を始めたり、管理したい業務のながれをドラッグ&ドロップするだけで設定できたり、お客様自身でも手軽に業務管理に取り組めます。Webセミナーでは、身のまわりにある業務をどのようにシステムで管理できるのか、見える化や自動化によってどんな効果が得られるのか、業務改善を行うための基本からお客様における実例までご紹介します。 詳しく見る